鬼の伝説U
昔、鬼沢は、「ながねはだぢ」というところでした。ある日、やじゅうろうという男が、山へたきぎをとりに入りました。すると、森のおくから、大きな人が現れました。
大人(おおびと)は、
「すもうとってしょぶしねぇが。」
と言い、やじゅうろうは、
「よし、しょうぶだ。」
と答えて、すもうをとりました。やじゅろうのうでまえは村一番です。でも、大人も強くて、どちらも同じく らいの強さでした。また次の日 大人がいました。そして毎日毎日すもうをとりました。
ある日のこと、やじゅうろうがしょんぼりした顔でやってきました。大人が、
「どうしたんだ、しょんぼりした顔で。」
ときくと、やじゅうろうは、
「たんぼに水が流れてこねんだねぇ。」
と言いました。大人が、
「わにまがせろ。でも、わが仕事をしてるところは見ないでくれ」
と言ったので、やじゅうろうはけっして見ないことを約束して帰りました。
ところが、やじゅうろうのおくさんが、いつも出かけるのでおかしいと思って見に行ってしまいました。山のおくにいくと、なんと鬼が、岩をどかしているのです。
それを見た、やじゅうろうのおくさんは、村人に知らせてしまいました。
次の日、村人が外に出てみると、なんと水が田に流れているのです。村人は、びっくりしたけれどもうれしくて、「これで、米がとれるぞ。」とみんな大よろこびしました。
でも、それとどうじに大人とやじゅうろうは、消えていました。
それをしった村人たちは、「あの大人は、神様だ」といい、まつったということです。それが鬼神社のはじまりだそうです。そして、この村は「ながねはだぢ」から「鬼沢」という名前になったということです。 とっつばれ