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ぼくたちが育てているりんごの品種は「ふじ」ですが、その他にも、たくさんの品種があります。
品種改良はどのように行われているのか、ぼくたちは、青森県りんご試験場の方にお話を聞いて調べることにしました。 |
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わたしたちが今食べている西洋りんごは、コーカサス地方から、ヨーロッパやアメリカに伝わり、日本で栽培が始まったのは明治8年です。
日本では、江戸時代に「和りんご」が栽培されていましたが、今のりんごと比べるととても小さいです。
青森県でも、明治8年から栽培が始まりました。明治8年12月のクリスマスに、アメリカ人のイングという人が、日本人に西洋りんごをごちそうしました。その時の「たね」を菊池九郎さんが自分の屋敷にまいたのが、「印度」というりんごになったそうです。 |
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青森県りんご試験場では、昭和3年から育種研究が始まりました。
昭和3年〜昭和26年に交配した実から、つがる、陸奥、世界一などをつくり出しました。
昭和27年〜昭和44年に交配した実からは、北の幸、メローなどをつくり出しました。
現在は、昭和45年以降に交配してできた実から、新品種になるものを選び出しているそうです。 |
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品種改良をするわけは、1つ目はあまくておいしく、日本人好みのりんごを作るためです。
2つ目は、病気に強いりんごを作るためです。
3つ目は、長持ちするりんご(貯蔵性が高いりんご)をつくるためです。青森県のようにりんごの生産量が多いと、短い期間で売りきることができないからです。また、長野県のりんごが市場に出ない時にりんごを出荷すれば高く売れます。ですから、CA冷蔵庫に入れ、8月まで貯蔵できるようなりんごを作らなくてはいけないのです。 |
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品種改良の方法には二つあります。
一つ目は、枝がわりの利用です。
同じ品種の木を植えたはずなのに、味や色が良い、これまでとは変わったりんごがなることがあります。その木からのびた枝をつぎ木して増やしていけば、新しい品種ができあがります。 |
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この枝がわりを利用して作られたのが、「弘前ふじ」です。
草薙から車で5分ほどの楢木地区に住む大鰐さんという人が、昭和49年に「ふじ」の苗木を植えました。このときはふつうのふじでした。
昭和59年10月上旬、袋はぎをしていたら、袋の中で黄色く色づいているりんごを見つけました。これは突然変異のためです。
そこで、大鰐さんは、その枝を接ぎ木して育てました。すると、これまでより1ヶ月も早く食べられるふじができました。
その話を聞いて、草薙のりんご農家の人も枝をゆずってもらい、接ぎ木して「弘前ふじ」を育てるようになりました。
○「弘前ふじ」とこれまでの「ふじ」のちがいは何か
大きなちがいは、収穫時期がちがうことです。これまでのふじは、11月上旬に収穫します。しかし、弘前ふじは、9月末から10月上旬に収穫できます。
花の咲く時期は弘前ふじのほうが1日早いだけで、8月まではふじも弘前ふじも大きさはほとんど同じですが、その後どんどん大きさに差がつき、ふじより1ヶ月早く収穫できます。長野県のふじより早く出荷できるので高く売れます。 |
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品種改良の2つ目の方法は、交配育種です。
種類のちがう2種類のりんごの花をつかって受粉させます。これを交配といいます。こうしてできた実から種を取り、それを育ててできたりんごの中から、味や色がよいものを選び出して新しい品種をつくります。
この方法だと、品種登録するまでに25年以上かかり、商品として店に出るまでるまでには、もっと時間がかかるそうです。
日本では、主に交配育種で改良が進められています。 |
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交配育種による新品種のつくりかたは、
・1年目、交配する
・3年目、苗を畑に植える
・10〜12年目、一次選抜(良いものを選ぶ)
・16〜19年目、二次選抜(さらに良いものを選ぶ)
・20〜24年目、試食会などをする。
・25年目以降に品種登録
と、とても長い時間がかかっていました。
しかし、今後は、青森台3号に接ぎ木して、実がなるまでの期間を短縮したり、一次選抜中に苗木を育てるなどして約11年短縮していくそうです。そして、14年目以降に品種登録できるように努力しています。将来は、遺伝子を調べて品種改良をしていくそうです。 |
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新品種を作るためには、さまざまな苦労があります。
1.交配して秋に収穫した実から種を取り出します。種は芽を出させるためには、いったん低温で処理します。
2.種から育てた植物を実生と言います。この実生を接ぎ木できるようになるまで育てます。接ぎ木ができる太さになったら、台木に接ぎ木します。
3.これらの木には、1本1本ちがうりんごが実ります。同じ両親から生まれた兄弟ですが、色や大きさが少しずつ違います。この中から優れた品種のりんごを選びますが、良いものは1000本に1本出るかでないかの確率です。
4.試験場もふくめ、県内のいろいろな地域で安定した品質のものができるかどうかも試験しなくてはいけません。 |
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青森県 りんご試験場では、これまでに、世界一、つがる、北斗、陸奥、恵、王鈴、花祝、東光、北の幸、夏緑、メローなどのりんごを開発してきました。
日本では2000種類くらいあるそうですが、その中で現在栽培され市場に出ているのは、わずか何十種類だけです。 |
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ぼくたちは、富山県の福野小学校の5年生とりんご作りについて交流しています。この前、福野小学校からりんごが送られてきました。
この写真は、同じ無袋の「ふじ」です。でも、草薙と福野のふじではずいぶん色が違います。育て方に違いがあるのかなあと思ったら、営農指導員の吉崎さんが、「ふじ」には、大きく分けて2つの系統があって、ぼくたちが育てているふじと福野のふじは、ちがう系統だから色が違うそうです。
2つのふじは、味もちがいます。吉崎さんが、同じ「ふじ」を弘前市内で育てても、北部の草薙と南部の石川では、味がちがうと教えてくれました。また、同じ草薙でもその農園によって少しずつ味がちがうそうです。そのわけは、気温、雨の量、日光の当たり方、土の性質
などに関係あるそうです。
このことから考えると、福野のりんごと草薙のりんごの違いは、気候や土に関係ありそうです。 |
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青森県りんご試験場 山谷さんのお話
りんごは、他の品種の花粉をめしべにくっつけないと種ができません。だから、りんごの種子は雑種になっているのです。たとえばふじの種子から育った木には、親と全く同じふじの実にはならないのです。また、たくさんの種をまいても、一本一本ちがう実がなる木になります。
もし、自分の食べたりんごの種子をまいて、果実がなるまで木を育てていけば、なったりんごは、これまでの品種とはどこかちがっているはずで、新品種とよべるものです。だから、種をまいて、果実がなるまで木を育てていく、根気さえあれば、だれでも新しい品種をつくることができます。
ただし、千個の種を育ても「今の品種よりも、優れている」とみとめられるものが一個でもあればいい方だと思わなければいけません。 |
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これまで写真で見た外国のりんごは、日本のりんごと色や大きさがとても違っていました。これは、品種改良の目的がちがうからでしょうか。
日本では、病気に強く、長持ちし、あまくておいしいりんごを作るために品種改良をしています。
外国の場合は、病気に強いりんご、特に黒星病に強いりんごを作ることが大きな目的だそうです。もちろんおいしいりんご作りも大切です。どちらも品種改良の目的はにています。
では、なぜこんなに色や大きさが違うのでしょうか。それは、外国では、ほとんど手をかけないで育てているからだそうです。実すぐりなどもほとんどしないそうです。日本では見た目が重要なので、手間をかけたりんご作りが行われています。 |
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参考にした本
科学のアルバム「リンゴくだもののひみつ」
あかね書房 |